「お前はもう死んでいる」と言われても… 廃刊から“復活”したブラジルの日本語新聞、移民を照らし続ける光に


「お前はもう死んでいる」と言われても… 廃刊から“復活”したブラジルの日本語新聞、移民を照らし続ける光に 編集作業をする「ブラジル日報」編集長の深沢正雪さん(深沢さん提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 周子

「集中治療室に運ばれて『あと3日の命です』って言われたのに、気づいたらぴんぴんして退院していたっていう、そんな状況です」

この激動の2年間をそう振り返るのは、ブラジル唯一の邦字紙(日本語新聞)「ブラジル日報」で編集長を務める深沢正雪さんだ。

コロナが追い打ち、「闇夜」に

ブラジル日報は2022年1月に創刊した新しいメディアだが、その前身はブラジルで70年以上の歴史を持ち、2021年に廃刊した「ニッケイ新聞」だ。深沢さんは04年から同紙の編集長も務めた。

ニッケイ購読者の平均年齢は80歳以上。日本語を話せる世代の減少で厳しい経営状況が続いていたところに、新型コロナウイルスの感染拡大で広告収入がほぼゼロになったことがとどめを刺したという。

邦字紙の歴史はまさに日系社会、そして移民とともに歩んできた…