名護市二見区の二見情話大会が久しぶりに開催されるようです。興味がありつつも、まだ行ったことがないので、どんなイベントか調べてみてくれませんか?
(浦添市 また会う板前)
『二見情話』は沖縄戦中・戦後に名護市二見区に避難した故・照屋朝敏さんが手がけた民謡。避難民を二見の住民が受け入れ支援したことへの感謝、地域への愛着が歌われています。二見では、毎日お昼時間に公民館から放送されており、日頃から親しまれているんですよ。
この曲を男女ペアで歌って競う、「二見情話大会」が18日(土)、4年ぶりに開催されます。
地域を挙げて開催
まず、二見区長の名嘉裕美さん、二見情話大会実行委員会委員長で大浦区長の宮里辰之さんに、大会について話を聞きました。
「二見情話 5番の歌詞には、“戦場ぬ哀り 何時か忘りゆら 忘りがたなさや 花ぬ二見よ”(戦争体験は忘れていくけれど、二見のことは忘れない)とあります。大会の準備をする中で、多くの人に歌い継がれる曲の重みを再確認しています。大会を曲の継承にも役立てたいです」
そう話すのは名嘉さん。今回は発祥の地である二見が会場、ということで力が入っているようです。
「二見情話は、決して派手な歌ではありません。でも風情があって、沁みるんです」
宮里さんは会場の雰囲気を伝えてくれました。観客の方々には、歌のうまさだけでなく、感情の込め方や表情、衣装にも注目してほしいそうです。
大会運営や出店には、地域の住民や企業が協力。人々の手で作った、温かみのあるイベントであることも特徴です。久志地域の芸能ステージもありますよ。ヤギ汁やイノシシのジビエ料理、捕れたての海の幸も提供されるのでお見逃しなく。
出場者の思いさまざま
出場予定者の中から、名護市在住の2組に意気込みを聞いてみました。
「思春期に入り、距離を感じるようになった娘との思い出作りです」
ちょっと切実な思いで出場するのは末松隆二さん。為又区の区長を務めています。小学6年生の四女・さらんさんは、父親との出場に照れながらも、「キーが高いから歌は難しい」と教えてくれました。歌詞の意味をしっかり学んで大会に臨みたいそうです。
「母の80代最後の挑戦です」。そう話すのは汀間区在住、二見で働く比嘉達也さん。母親の絹子さんは89歳。「勝手に申し込まれた(笑)」と困惑気味でしたが、若い頃は地域行事の歌い手・踊り手として活躍したのだとか。達也さんには、大会に出ることで絹子さんが多くの人とふれあい、良い刺激を得てほしい、との思いがあるようです。
「二見情話は地域と共に生き続ける歌です」
達也さんは郷土の歌に対する熱い気持ちも伝えてくれました。
2組の他にも他市町村、県外から魅力あるペアが参加します。ぜひ会場で、歌声と情緒を感じてください。
(2023年11月9日 週刊レキオ掲載)
第9回二見情話ミュージックライン開通11周年記念 二見情話大会
日時:11月18日(土)
第1部 11:00~〈地域芸能ステージ〉
第2部 13:00~〈二見情話大会〉
会場:二見区公民館 特設ステージ(名護市二見227)
問い合わせ:0980-55-8606(二見情話大会実行委員会)
大会当日はFMやんばるにて、大会の生放送とネット配信も行われます。ネット配信はhttps://fmyanbaru.co.jp/