厚生労働省は10日、伝統工芸や工業技術など各分野で優れた技能を持つ150人を、2023年度の「現代の名工」に選んだと発表した。沖縄県内からは染物・仕上工で大宜味村喜如嘉の芭蕉布の保存や継承、情報発信に取り組む平良美恵子さん(74)=大宜味村、ガラス製品製造工として芸術性の高い琉球ガラスを制作し商品開発にも定評のある大城尚也さん(59)=名護市=の2人が選ばれた。表彰式は13日、東京都内で開かれる。
本年度から障がいのある技能者を対象とした部門を創設。幼少期に視力を失いながらも、視覚障がい者が音声の補助でパソコンを使えるソフトウエアを開発した、石川県の斎藤正夫さん(75)らを選出した。
「現代の名工」は、技術者の地位や技能向上を図り、優れた技を次世代に継承することを目的に1967年度から始まった。今回で57回目を数え、県内の表彰者は本年度を含め計64人となった。