糸満市にあるパン会社・ハマキョーパンを知っていますか? 糸満市に住んでいた祖母がおやつにいつも買ってくれて「ファミリーロール」は今でも私の大好物です。ぜひ取材してみてください!
(那覇市 甘いの大好き)
ハマキョーパン! 糸満市出身の調査員はもちろん知っていますよ~。ファーマーズマーケットいとまん「うまんちゅ市場」他、糸満市とその近隣市町村の一部スーパーで販売されていますよね。しかし中北部出身の調査員仲間の中には知らない人も。調査を通じてみんなにハマキョーパンの魅力を伝えたいと思います!
学校給食にも貢献
さっそく糸満市西崎町にあるハマキョーパンの工場に訪れた調査員。お店の看板を見ると、「沖縄県学校給食選定工場」の文字が目に付きました。
そこに現れたのは4代目代表の玉城直人(なおと)さん。「市販のパンも作っているんですけど、どちらかというと学校給食用がメインの商売なんです。誰もが食べたことのあるコッペパンから、バーガー用のバンズなど。そういったパン全般を卸しています。意外と知られていないんですけど、学校給食のご飯もうちが提供していますよ」と話してくれました。
糸満市を含む近隣市町村から遠くは沖縄市まで、毎朝7市町村の学校給食用のご飯とパンを製造しています。給食にもハマキョーパンのパンが使われているんですね。
「もともと祖父・松一(まついち)が営んでいた『京屋菓子店』と、その目と鼻の先で親戚が営んでいた『浜元菓子店』というお店があったんですけど、学校給食の卸業を機に合社という形で1959年に『ハマキョーパン』を創業しました」と玉城さんは語ります。
学校給食の組合がない時代、松一さんは旗振り役として県内のパン・ご飯工場をまとめ、技術の継承や情報交換に貢献したといいます。
変わらない味を守る
さて、ここでハマキョーパンで作られているパンを見せてもらいました。
ハマキョーパンの人気商品である「ファミリーロール」。ココアパウダーを練り込んだ自家製クリームが入ったパンで、控えめな甘さが特徴です。
「このクリームはファミリーロールでしか食べられない味。5個入りなので昔は『イチチーパン』と呼ぶ人もいたそうです。ぼくが子どもの頃、おやつ代わりによく食べていましたね」と笑う玉城さん。
玉城さんのイチオシは、大きな花のようなフォルムが特徴的な「シナモンロール」。「レーズンとシナモンの入ったクリームを包み込んだちぎりパンでレーズンが好きな人は好きだと思います!」とアピールしてくれました。
「一部材料は時代とともに変化していますが、レシピの大枠は昔から変わっていません。そのため、どうしても足が早いところはあるんですが、品質改良剤や添加物は抑えています。ハマキョーパンのパンは糸満の人からするとソウルフードなので、変わらない味を守っています」
糸満市民のソウルフードにもなっているハマキョーパン。中には、県外にいる家族や親戚から「味が恋しくなったから送ってほしい」と頼まれる人も少なくないとか。原価高騰など時代のあおりを受けながらも、ハマキョーパンは昔ながらの変わらぬ味を大切に守り続けています。
ハマキョーパン
糸満市西崎町4丁目15番地
TEL 098-992-2037
(2023年12月21日 週刊レキオ掲載)