【東京】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡る代執行訴訟で、福岡高裁那覇支部による設計変更の承認命令を県が不承認としたことを受け、斉藤鉄夫国土交通相は26日の閣議後会見で、「28日に沖縄県知事に代わって承認を行う」と明らかにした。政府は、沖縄防衛局による地盤改良工事の申請を県に代わって国が承認する代執行に踏み切る。1月12日にも工事を開始する見込みだ。
斉藤氏は、代執行に関する通知文書を26日午前に発送したとも明らかにした。文書は27日午後にも県庁に届く予定だとしている。
斉藤氏は会見の冒頭で、「沖縄県知事は今月20日の福岡高裁那覇支部の判決に従わず、期限とされた25日までに承認しなかった」と指摘。
これを受け、公有水面埋立法の所管大臣として「地方自治法第245条の8、第8項」の規定に基づいて玉城デニー知事に代わって工事の申請を承認する「代執行」を行うとした。
記者団からは、玉城知事が工事の中止と「真摯な対話」を政府側に求めている点についての受け止めも問われた。
斉藤氏は、「法律に基づき手続きを進めてきた」とした上で、工事が「防衛省の所管事業である」ことを理由に、「国土交通大臣としてお答えは差し控えたい」と述べるにとどめた。
判決を不服とする県が最高裁判所に上告した場合の対応についても質問が上がった。
斉藤氏は、代執行の手続きについて触れた、地方自治法の「245条の8、第10項」の規定を上げ、「上告は執行停止の効力を有しないと規定されている。このため、最高裁で係争中であっても代執行が可能となる制度だ」とし、県の対応を踏まえることなく、28日に「代執行」を実施する意向を示した。