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「JJトハナニカ」とは何か? 怪シ~イ広告の謎明かし 沖縄発祥の真相を聞いた


「JJトハナニカ」とは何か? 怪シ~イ広告の謎明かし 沖縄発祥の真相を聞いた 「JJ」の文字が目を引く壁面広告=12月21日、那覇市の琉球新報社
この記事を書いた人 琉球新報社

 「JJ 発祥ハ沖縄ラシイ?」「#JJトハナニカ」

 那覇市泉崎の琉球新報ビルの壁面に大きく掲出されている「JJ」の文字。壁面を利用した企業広告なのだが、商品やサービスの名称もなければ企業名さえない。謎めいた広告の真相を探った。

広告主はお酒の会社

 今回の壁面広告を出しているのは沖縄サントリー(那覇市)だ。サントリーは言わずと知れたビールやウイスキーなどの酒類を製造する大手酒類メーカーであり、沖縄サントリーはその商品の沖縄地域での販売を手掛ける。

 沖縄サントリー営業2部の玉城新吾部長に「JJ」について聞くと「ジャスミン焼酎をジャスミン茶で割った飲み方のことです」と答えを教えてくれた。

 サントリーは2004年にジャスミン焼酎「茉莉花(まつりか)」を全国発売している。そのジャスミン焼酎のジャスミン茶割りの呼称が、頭文字をとって「JJ」というわけだ。儀間涼子担当課長は「ジャスミン茶で割ることで香りがさらに引き立ち、すっきりまろやかに飲みやすい」と味わいの特徴を紹介する。

サントリーが2004年に発売したジャスミン焼酎「茉莉花」

 サントリーのホームページをみると茉莉花1にジャスミン茶3の割合でつくるのがオススメなど「JJ」の飲み方をプッシュしている。ただ、茉莉花自体は鹿児島の酒造所の焼酎を使用した商品とも紹介されている。そうすると、広告にある「沖縄発祥」という点が次に気になってくる。

沖縄で売れるジャスミン焼酎

 玉城部長は「茉莉花はこれまで特にこれといった販促をしたことがない商品でした。焼酎ブームが下火になっていくのに伴って販売も落ちていくものですが、どうも沖縄では根強く売れている。特に石垣で顕著に数字が伸びている。茉莉花を取り扱ってくれているお店に聞いていくと、石垣市で茉莉花のファンが飲食店に持ち込み、茉莉花のジャスミン茶割りが生まれたという説があることを知りました。そこから沖縄県内で『さんぴん茶のお酒のさんぴん茶割り』として広がっていった可能性があるんです」と解説する。

 「JJ」はメーカー側がもともと発信したわけではなく、茉莉花の売り上げが沖縄で好調な要因を探ったところ「発見」した飲み方だったというわけだ。

壁面広告の狙いについて取材に答える(左から)沖縄サントリー営業2部の玉城新吾部長、企画課の儀間涼子担当課長、同課の岡一成課長=21日、那覇市の琉球新報社

 焼酎ブームが一息つき、10年前に消費が落ち込んだ時期には、「茉莉花」の総販売量の2割は沖縄が占めたという。中でも石垣市は量販店で箱積みされるなど人気商品となっていた。メーカーや販売会社も知らないところで「さんぴん茶」で割った飲み方とともに沖縄で広がっていたことにあやかり、販促を打つことになった。

 「せっかく沖縄の飲食店が定着させてくれた茉莉花に我々が力を入れないわけにいかない。ソーダ割りでも水割りでも楽しんでもらえるのだけど、沖縄発の『JJ』という飲み方を通じてさらに広げる余地があるなと」(玉城部長)

 発祥説を打ち立て、広告のキャッチフレーズとして「JJ」を使うことが決まった。もともと紅型柄の色使いを意識したラベルを使用しているなど沖縄との相性の良さに改めて着目し、壁面広告を展開するなど初めてという大々的な広告活動につながった。今回のキャンペーンは忘年会シーズンの12月に那覇と大阪の2都市で展開。琉球新報ビルの壁面広告は年明け1月3日まで掲出されている。

 儀間担当課長は「飲食店で『JJ』と注文してもらって答え合わせしながら味を楽しんでほしい」とPRした。