一審判決は憲法に「適合せず」 沖縄県が控訴理由書を提出 辺野古新基地建設 変更申請の不承認抗告訴訟


一審判決は憲法に「適合せず」 沖縄県が控訴理由書を提出 辺野古新基地建設 変更申請の不承認抗告訴訟 福岡高裁那覇支部(資料写真)
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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設に伴う名護市辺野古の新基地建設の設計変更申請を巡り、沖縄県の不承認処分を取り消した国土交通相の裁決は違法だとして県が処分の効力回復を求めた抗告訴訟で、県は17日、控訴理由書を福岡高裁那覇支部に提出した。県の訴えを却下した一審那覇地裁判決の判断は、地方自治の本旨を保障した憲法に「適合しない」などとして、破棄と差し戻しを求めた。

 県は理由書で、一審判決は、県に訴訟提起の適格がないとした2022年12月の最高裁判決をそのままなぞったなどと指摘。その判断は、地方自治の本旨を保障した憲法92条に反するなどと主張した。

 軟弱地盤のある大浦湾側の埋め立て工事に向けた沖縄防衛局の設計変更申請については、県が21年11月に軟弱地盤の調査が不十分などとして不承認とした。国土交通相は22年4月に不承認を取り消す裁決をした。

 抗告訴訟で、23年11月の一審判決は、裁決の違法性といった中身の判断はせずに県の訴えを退ける「門前払い」にした。

 国交相が県に代わって承認するため提起した代執行訴訟は23年12月、高裁那覇支部が県に承認を命じる判決を下し、同月に国交相が承認を代執行した。沖縄防衛局は現在、大浦湾で埋め立て工事に着手している。