「心よりお詫び」県企業局が謝罪 制水弁が閉まらず、復旧工事を一時中断 工業、生活用水の断水「現時点で行わない」(19日正午現在)


「心よりお詫び」県企業局が謝罪 制水弁が閉まらず、復旧工事を一時中断 工業、生活用水の断水「現時点で行わない」(19日正午現在) 工業用水の導水管の漏水復旧工事の休止で会見し、お詫びする松田了企業局長(中央)ら=19日午前、県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 與那原 采󠄀恵

 沖縄県の久志浄水場から西原浄水場へ水を流すうるま市昆布の導水管で漏水が発生した問題を巡り、県企業局は19日午前、県庁で会見し、復旧工事を一時中断したと発表した。工業用水、生活用水の断水は現時点で行わない方針。

 会見で松田了企業局長は「県民、市町村、事業者の皆さんに多大なるご迷惑をお掛けし、心よりお詫び申し上げる」などと謝罪した。

 復旧を中断した原因は漏水部の穴をふさぐために水を抜く必要があったが、管内に流れる水を止める「制水弁」が完全に閉まらず、水の排水が十分にできなかったため。修繕工事の再開は未定。

 漏水が発生した「石川ー高原導水管」は使用開始から約48年が経過しており、制水弁の不具合は経年劣化によるさびなどの影響で弁が完全に閉まりきらない状態になっている可能性が高いという。

 企業局では漏水箇所の修繕方法として、不具合のある弁の上流部に設置している制水弁を閉め、水を排水して作業する方法と、止水せずそのまま作業する方法の2通りから検討している。ただ止水すると石川浄水場に流入している原水量が大幅に減ることが予想され、工業、生活ともに影響が大きくなる恐れがあるため慎重に判断する方針。

 企業局によると、18日午後5時に漏水修繕工事を開始した。同午後6時過ぎに導水管内の排水を始めたものの水量が減らず、同午後10時50分に修繕工事の中止を決めた。断水していた工業用水の供給も翌19日午前3時から再開した。

 17日に工業用水の供給を一時止めたことによって、一部事業所が生産ラインを停止せざるを得ず、原材料の処分など損害も発生している。