沖縄県うるま市での導水管漏水事故で県企業局が17日に工業用水の供給を一時止めたことによって、本島中南部の一部事業所が生産ラインを停止した。仕込んだ原材料を処分せざるを得ないなど損害も発生している。一方、生活用水については断水は回避される見込み。
県企業局は18日午後5時から送水を停止し、修理工事を再開。修理を終え通常の送水が再び開始されるまで、最大で30時間ほどを見込んでいる。
沖縄市に工場のある拓南製鉄は17日夜から製鉄の工程を止めた。高温の鋳物を冷却するために大量の工業用水が必要となり、製造が困難なためだ。
西原町にある豆腐などを製造する、まえさとでは17日午前8時から午後9時ごろまで断水し、生産を止めた。
豆腐の原料となる大豆は、12時間ほど水に漬ける必要がある。18日はこの作業の途中に、午後5時からの断水について県から連絡があった。その後の工程の水が確保できなくなったことから、大豆1トン近くを処分することになったという。
工場などに送られる工業用水は、96事業所を対象に18日午後5時から工事終了まで断水している。
生活用水については、西原浄水場から供給を受ける9市町で断水が発生する恐れがあったが、企業局の想定では工事中も給水を継続できるという。
(當山幸都、沖田有吾)