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沖縄県の県職員女性の年収「男性の7割」 “キャリアの中断”一因か 香川や東京は9割 22年度分


沖縄県の県職員女性の年収「男性の7割」 “キャリアの中断”一因か 香川や東京は9割 22年度分 沖縄県庁(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信

 47都道府県が公表した2022年度の職員給与に関する男女格差の資料を分析すると、平均年収は全てで女性が男性を下回り、半数を超える沖縄など28府県では男性の7割台だったことが14日分かった。女性活躍推進法に基づき、23年度から前年度の男女差の情報開示が義務化された。全都道府県のデータがそろうのは初めて。共同通信が集計した。

 男女差が比較的小さい9割台だったのは香川(93・7%)と東京(90・8%)だけ。8割台は和歌山(87・1%)、千葉(84・3%)、埼玉(83・5%)を含む12道県だった。7割台の28府県は、沖縄(75・3%)、茨城(79・6%)、山口(79・2%)、神奈川(79・0%)など。残る5県は6割台だった。

 都道府県はインターネットなどで公表。共同通信の集計は非正規職員を含む知事部局の数値を対象とした。ただ自治体によって企業局などの職員も含めた数値を示しているため、単純な比較はできない。

 公表資料によると、男女格差の理由は「給与の高い管理職は男性が多い」や、昇給に関わる「勤続年数が男性の方が長い」が目立つ。女性は結婚や出産でキャリアを中断する人が多かったことが一因とみられる。

 他に「扶養手当や住居手当を受け取る比率が、男性の方が高い」や、正規と比べて給与が低い人が多い非正規職員は「女性に偏っている」などもあった。

 47都道府県を単純平均した賃金格差は77・6%だった。

 政府は格差の是正に向け、女性が育児をしながら働き続けられる環境の整備や、女性の管理職への登用を働きかける。

 民間企業の賃金の男女差は、従業員301人以上の企業に開示義務がある。厚生労働省が1万4577社の24年1月時点の状況をまとめたところ、女性の平均年収は男性の69・5%だった。

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<公表基準と集計方法> 国は、都道府県職員の給与について「男性の平均年収」に対する「女性の平均年収」の数値を公表するよう規定。知事部局のほか警察、教育委員会、病院局などの組織があり、個別に公表するか、知事部局と合わせて計算するかは対応が分かれている。共同通信の集計は知事部局を対象としたが、自治体によっては企業局などの職員も含めて計算しているケースがあり、単純比較はできない。

 (共同通信)