【本部】沖縄美ら海水族館は22日、沖縄県内では「赤いシチューマチ」とも呼ばれ、日本での捕獲記録が極めて少ない魚「セダカタカサゴ」の生体展示を開始したと発表した。同水族館によると、飼育例がなく「幻の魚」とも呼ばれ、世界初の生体展示となる。水族館内の「熱帯魚の海」水槽で、10個体が群れで遊泳する様子が観察でき、5月6日までの展示を予定している。
セダカタカサゴはアオダイ(方言名・シチューマチ)と同じフエダイ科で、形態も似ているため、方言では「アカシチュー」と呼ばれている。八重山諸島以南のインド・西部太平洋に分布し、水深60メートルほどのやや深みに生息。全身が赤いことが特徴で、同水族館は漁業者から協力を得て、西表島周辺の海域で1月に採集した。水族館内での飼育によって、生きている間は側面に濃い赤い筋が現れることが明らかとなった。
同水族館魚類課の松崎章平さんによると「古い図鑑に載っているものしか見たことがない珍しい魚で、競りにも出てこない」という。「西表島の漁業者の協力で展示ができている。生きている姿をぜひ見に来てほしい」と話した。同水族館では引き続き、飼育展示を通し、生態の解明を進めていく。
(池田哲平)