うしなったものはもどらない
うしなったあとにいつもきづくものだけど
ゆずれないものはゆずらない
ゆずったあとにいつもこうかいするのだけど
だれにもわたさない
わたしはわたしのうみをすなはまをそらをくもをたいようをほしをきをもりをやまをかわをこどもたちをおじいをおばあをおかあさんをおとうさんをおとうとをいもうとをおにいちゃんをおねえちゃんをともだちをせんせいをまちをがっこうをとしょかんをはくぶつかんをびじゅつかんをはなをはなびをはるをなつをあきをふゆをことばをこころを
だれにもわたさない
うしなったものは にどともどらない
うしなったあとにいつもきづくものだ
ゆずれないものは もうゆずらない
ゆずったあとにこうかいするくらいなら
だれにもわたしたくないから
いつも きにかけている
だから あなたも わたしを きにかけて
わたしが あなたを きにかけるように
(那覇市)
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<寸評>西原裕美・選
ひらがなで表現されることで生々しさを感じさせる。詩のリズムがある。