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部活生自死、子が意見言える環境を 保護者や生徒、指導者ら計1200人参加 再発防止へ識者ら議論 沖縄


部活生自死、子が意見言える環境を 保護者や生徒、指導者ら計1200人参加 再発防止へ識者ら議論 沖縄 子どもの人権を考える講演会で登壇した横江崇弁護士(左)石原端子沖縄大学准教授=19日、沖縄市の沖縄市民会館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 コザ高校2年の空手部男子生徒が2021年1月、部活動顧問から執拗(しつよう)な叱責(しっせき)を受けて自死した問題を受け、同校は19日、子どもの人権について考える講演会を沖縄市民会館で開いた。県が設置した第三者再調査委員会の提言などを踏まえた初の研修として実施した。横江崇弁護士と沖縄大の石原端子准教授が講話し、生徒や教職員、保護者、部活動指導者ら約1200人が参加した。

 石原准教授は、事件後に生徒自身が部活動のあるべき姿を考え、指導者や学校に提言した「県高校部活生メッセージ2023」について説明した。メッセージは部活動で命が奪われることが二度とないよう、部活動に関わる人が互いに尊重、協力できる場の実現を求めている。石原准教授は「コザ高で起きたことを、ないものにしてはいけない。生徒は自分の意見を主張していい。主張できる風土になると信じている」と話した。

 横江弁護士は子どもの権利について、意見表明権と児童の最善の利益が図られることが最も大切だと説明。「学校や家庭、地域社会でも自由に意見が言える環境が保障されていること、何が子どもにとって最善か、子どもの意見を聞いた上で考えられているかが大切だ」と強調した。

 講演会終了後、生徒を代表して2年の玉城美裕さんが「考え方が違うからこそ生徒同士や先生、指導者がコミュニケーションを取りやすい環境づくりが必要だと感じた」と話した。

 同校はSOSの出し方や自死予防の研修を予定している。大嶺哲司校長は「生徒の意見や悩みを受けとめ、安全安心に生活できる高校をつくっていく」と話した。

(高橋夏帆、外間愛也)

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◇沖縄県内の主な相談窓口
▽県立総合精神保健福祉センター・こころの電話相談
098(888)1450(月・水・木・金の午前9時~11時30分、午後1時~4時30分)
▽沖縄いのちの電話
098(888)4343。午前10時~午後11時。

◇厚生労働省が自殺防止のためホームページで紹介している主な相談窓口は次の通り。
▽いのちの電話
(0570)783556(午前10時~午後10時)
(0120)783556(午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▽こころの健康相談統一ダイヤル
(0570)064556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▽よりそいホットライン
(0120)279338(24時間対応)