判決で県が勝訴する場合、いくつかのパターンが想定される。まずは裁判所が辺野古埋め立ての必要性を認めない判決を出す場合だ。この場合、辺野古での新基地建設自体が否定されることになる。埋め立て後の環境保全策が不十分だとして、埋め立て承認に違法な瑕疵(かし)があると認定する可能性もある。その場合、国はより厳格な環境保全策を新たに示す必要が出てくる。
承認取り消しは違法としながら、県が「是正の指示」に従わなかったことは違法な「不作為」に当たらないとして、国の訴えを棄却することも想定される。その場合、国は県と協議するなどの必要が出てくるとみられ、移設工事の日程に影響が出るのは避けられない。
一方、国の訴えが認められた場合、裁判所の判断の“濃淡”こそあれ、承認取り消しは適法ではないと認定されることになる。その判決が確定すると、新基地建設阻止のための手法の一つである埋め立て工事の変更申請の判断などにおいて、埋め立て事業自体の必要性を理由に県が申請を認めないことは難しくなる。