「政府追認機関だ」 翁長知事、三権分立に禍根と批判


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 翁長雄志知事は16日、名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡る不作為の違法確認訴訟で国に敗訴したことを受けて県庁で会見し「地方自治制度を軽視し、県民の気持ちを踏みにじる、あまりにも国に偏った判断だ。政府の追認機関であることが明らかになり大変失望している」と述べ、判決内容を厳しく批判した。最高裁に上告する考えを示した。今後、確定判決後の対応として、埋め立て承認の撤回は「十二分ありうる」と述べた。

 判決を一読した印象として「大変あぜんとしている。三権分立の意味でも相当禍根を残すと思っている上、こういった一方的な内容の場合には県民のより大きい反発と結束がこれから出てくるのではないか」と語った。

 今後の辺野古新基地建設阻止への決意を問われ「地方自治の在り方や人権・自由・平等を訴えていく以外ない。知事に与えられた権限はしっかりと維持していく。70年前の銃剣とブルドーザーで県に基地を造るのが、70年目にして新たな段階を迎えた」と答えた。

 判決で、海兵隊の県外移転ができないとした国の判断は合理性があるとした理由に「戦後70年の経過や地域情勢」を挙げたことに「(沖縄の)70年の歴史に触れることもない。むしろ否定をしてしまう中に、意図的なものを感じ、大変不快感を持っている」と語った。

 埋め立ての必要性についての判決内容については「一方では軍事的な面について踏み込んだ判断を行い、他方では自然環境面については一切考慮しないなど、裁判所がこのような偏頗(へんぱ)な判断を行ったことは驚きを禁じ得ない」と述べた。