養蜂家が届けるスキンケア用品【島ネタCHOSA班】


養蜂家が届けるスキンケア用品【島ネタCHOSA班】 抽出され固まったばかりの蜜蝋
この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社

蜜蝋を使った化粧品「沖縄蜜蝋バーム」という商品を最近知りました。毎日のお肌の保湿や日焼け跡のケアにぴったりなんですよ。生産者の方は実際に養蜂家としてミツバチを育てているそう。商品や作り方について詳しく話を聞いてみてくれませんか。

(那覇市 まーむ)

蜜蝋(みつろう)とは、ミツバチが巣を作る時に分泌する成分のこと。自然由来の油脂として古くから人の生活に役立てられてきたものです。

「沖縄蜜蝋」代表で養蜂家の運天美香さん

少し調べてみると、依頼のあった商品は本部町にある「沖縄蜜蝋」が手がけるものと分かりました。代表の運天美香さんに連絡を取ると、ちょうど蜜蝋バーム作りのワークショップを開催するとのこと。調査員も参加させてもらいました。

バーム作りに参加

先月初旬、本部町具志堅にある観光施設「田空ハーソー公園」で行われたワークショップ。参加者たちが集合すると、作業服に身を包んだ運天さんが出迎えてくれました。「まずはこちらへ」と案内されたのは、屋外に設置された分蜂箱の前。この日はミツバチの作った巣を実際に採取するところも見学できました。

養蜂暦15年以上の運天さん、まずは煙を使って、ミツバチたちを優しく落ち着かせると、巣を採取していきます。最初はおっかなびっくりだった参加者たちも、運天さんの慣れた手つきとミツバチの生態についての説明に夢中になっていました。

蜜蝋バーム作りのワークショップで、分蜂箱から巣を取り出す作業を参加者に披露する運天さん(右)

その後は、取れた巣を屋内に運んで、巣から蜜蝋を抽出します。同じ工程を何度も経て不純物を取り除く大事な仕事です。道具はシンプルで、コンロとちょっとした容器があればできます。最初に巣をお湯で煮込み、液体状にします。その後、キッチンペーパーをろ紙にして、不純物と蜜蝋を分離させます。蜜蝋が冷えて黄色く固まったら、抽出は完了です。

娘のために養蜂家に

蜜蝋をバームにするには、もう一手間。運天さんこだわりのやんばる産オリーブオイルに蜜蝋を入れ、弱火で湯せんします。その後、とろとろに溶けた状態で、容器に注ぐのですが、まだ液体のうちに、お好みのアロマを数的垂らすのがおすすめ。ワークショップでは、月桃、シトロネラ、ラベンダー、ユーカリレモン、レモングラスなどなど運天さんがセレクトした高品質のアロマで香り付けをすることができました。出来上がった蜜蝋バームは、顔や髪を含む全身に使うことができ、小さなお子さん、お年寄りにもおすすめです。

蜜蝋を抽出するセイヨウミツバチの巣

「一度レクチャーを受けてもらえば、蜜蝋バームは家庭で作れますよ」

そう話す運天さん。自身が養蜂と蜜蝋バーム作りを始めたきっかけは、自身の娘が幼い頃、アトピー性皮膚炎の症状に苦しんでいたことだと教えてくれました。安心して使えるスキンケア用品を求め、現在に至るそうです。

運天さんは蜜蝋バームを自分で調合して作れる「沖縄蜜蝋バーム キット」の販売にも力を入れています。キットには、運天さんが採取・抽出までした蜜蝋が入っています。詳細な作り方は、県内各地の販売先でレクチャーを受けることが可能です。自然由来の材料だけを使った、自分や家族用のスキンケア用品を作ってみませんか?


沖縄蜜蝋

TEL 090-7929-7415
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「沖縄蜜蝋バームキット」(1400円~)。完成品の「沖縄蜜蝋バーム」(2200円)も発売中

(2024年10月31日 週刊レキオ掲載)