【渡嘉敷】渡嘉敷島の沖縄戦や歴史・文化・自然などを学ぼうと「兵庫県須磨区沖縄平和ツアー」の一行25人が13日、日帰りで同村を初めて訪れた。地元の平和ガイドの案内で「集団自決跡地」などの戦跡やビーチなどを見学し、渡嘉敷村の理解と認識を深めた。
沖縄から日本を見詰め直そうと、須磨区に住む石田正夫さん(75)が事務局を主宰し「兵庫県須磨区沖縄平和ツアー」を企画。毎年20~25人の参加メンバーを募り3泊4日の日程で、シニア世代を中心に沖縄を訪れている。戦跡や遺跡などを巡っており、今回で5回目。
また、須磨区で「琉球・沖縄史学習会」を毎月開いており、開催回数は27回を数えるという。「標的の村」など沖縄関係のドキュメンタリー映画の上映会も3回開催している。
須磨区の自宅で琉球新報を購読し、渡嘉敷島の話題に興味津々だったという石田さん。「ぜひ島を訪れてみたかった」との思いで、渡嘉敷ツアーを実施したという。
一行は「集団自決跡地」「白玉乃塔」「旧日本軍特攻艇秘匿壕跡地」などの戦跡や、沖縄戦で米軍が上陸した「渡嘉志久ビーチ」「阿波連ビーチ」を訪れ、ガイドの説明に熱心に耳を傾けた。
ツアーの参加者全員が胸に「辺野古基地NO」の札を掲げており、14日は辺野古や高江を訪れ反対運動に加わった。
参加者の一人、曽我節代さん(62)は「『集団自決』(強制集団死)の悲劇の現場を自分で確認し、これを伝えていくことが平和への第一歩だと思う」と語った。
関正人さん(75)は「渡嘉敷島などの小さな島にも従軍慰安婦7人がいたと聞き、衝撃を受けた」と悲痛な表情を浮かべた。
(米田英明通信員)