埋め立て承認撤回へ 翁長知事「必ず」、決意再び 県民大会


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 辺野古新基地建設の断念を求め、米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備撤回・飛行禁止を訴える「翁長知事を支え、辺野古に新基地を造らせない県民大会」(辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議主催)が12日、那覇市の奥武山公園陸上競技場で開かれ、主催者発表で4万5千人が集まった。「地方自治と民主主義、人権を守るため、この不条理にあらがい続ける」と掲げた大会宣言のほか、オーストラリアでのオスプレイ墜落事故を受けて配備撤回・飛行禁止を求める特別決議も採択した。登壇した翁長雄志知事は「あらゆる情報を判断し、撤回の時期について私の責任で決断する」と公有水面埋め立て承認の撤回に改めて決意を示した。

「我々はあきらめない」と記したメッセージボードを掲げる県民大会参加者=12日午後3時22分、那覇市の奥武山公園陸上競技場(大城直也撮影)

 採択された大会宣言は「政府は法解釈をねじ曲げ、沖縄の民意を圧殺し続けている。手続きを無視して行う違法な埋め立て工事は即中止すべきだ」と要求し、「私たちは問いたい。この国に真の民主主義はあるのか。法治国家とは何か」と政府の姿勢を批判した。その上で「翁長知事が提訴した訴訟を全面的に支持し、全力で支える」と掲げている。

 オスプレイ墜落事故に抗議する特別決議は「わずか8カ月の間に沖縄、世界各地で墜落、緊急着陸する異常事態が続発している」と指摘した。オスプレイ配備撤回や飛行禁止、事故の原因究明、普天間飛行場の即時閉鎖・撤去や夜間訓練・つり下げ訓練の禁止などを求めている。主催者のオール沖縄会議が後日、首相官邸や在日米国大使館などを訪れ、特別決議を手交する。

 オール沖縄会議は今年1月に続き、辺野古新基地建設反対の民意を米国内で訴える第2次訪米団を結成し、16~24日の間、サンフランシスコなどを訪ね、連邦議員や労働組合、市民団体と面会することも明らかにした。

 オール沖縄会議の共同代表ら登壇者は「県内に住む一人一人の命が日米同盟維持・強化のための捨て石になってはならない」(玉城愛氏)、「恐怖から免れて平和のうちに生存する権利を求める多くの県民がここにいるんだということを訴えていこう」(高良鉄美氏)などと呼び掛けた。

 県民大会と連動して、京都府や兵庫県など県外でも集会が開かれ、辺野古新基地建設断念を求めてデモ行進などを行った。

英文へ→MCAS Futenma’s Ospreys have an 8.3% crash rate, 10 total incidents since deployment