米公共放送が沖縄特集 「基地撤退、住民の願い」


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米軍普天間基地の現状について友知政樹沖国大教授から話を聞くエイミー・ガットマン氏(米PBSサイトから)

 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】全米にネットワークを持つ米公共放送(PBS)の報道番組「ニュースアワー」は16日、「沖縄では、多くの人々が米軍の撤退を望んでいる」と題した約10分間の特集番組を放映した。沖縄の米軍基地問題について、翁長雄志知事と在沖米軍トップで第3海兵遠征軍のローレンス・ニコルソン司令官や、名護市辺野古への新たな基地建設に対する賛成派と反対派の双方のインタビューを紹介している。特集番組はウェブサイトでも視聴できる。

 番組のプロデューサーを務めるエイミー・ガットマン特派員は7月に沖縄を訪れた際、名護市辺野古のゲート前での抗議活動や米軍ヘリが墜落した沖縄国際大などを取材し「戦後70年以上も経過するのに、沖縄にこれほどまで基地が在り続ける現状に驚いた」と話した。

 特集番組は、第2次世界大戦の激戦地となり、その後も米軍が沖縄に駐留し続けている歴史的な背景をはじめ、基地跡地利用による経済効果や雇用、日本政府による補助金なども示した。

 一方、1972年以降の米軍人・軍属による犯罪件数は約6千件あり、2016年の米軍属女性暴行殺人事件で沖縄の住民は過去の残忍な事件を思い起こすことになったと解説した。ニコルソン司令官は北朝鮮などへの脅威に対する沖縄の地理的優位性を強調する一方、同事件に対し「われわれも衝撃と恐怖を覚えた」と答えた。

 また北谷町美浜の映像とともに「返還後に商業施設が建設されたこの場所では、基地があった時の100倍以上の経済効果があったとされている」と紹介し、沖縄の人々は基地の返還による商業や観光の発展を望んでいると報じた。

 特集は以下のサイトで視聴できる。http://www.pbs.org/newshour/bb/okinawa-locals-want-u-s-troops-leave/