辺野古埋め立て予定地に危惧種サンゴ 防衛局、沖縄県に採捕申請へ


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名護市辺野古の新基地建設の埋め立て予定地で見つかったオキナワハマサンゴ(沖縄防衛局作成の資料より)

 【東京】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、埋め立て予定地に絶滅危惧種のオキナワハマサンゴなど14群体のレッドリスト掲載サンゴが見つかったことが27日、分かった。全14群体のうちオキナワハマサンゴ1群体を除く13群体が死滅、消失していた。沖縄防衛局は周辺では陸上工事のみ実施しているとして工事の影響による死滅を否定した。防衛局調査で絶滅危惧種のサンゴが発見されたのは初。生存する1群体を移植するため、同局は今後、県知事に特別採捕許可を申請する。

 発見場所は防衛局が今後施工するK1護岸とN5護岸の間の海域で、サンゴの保護のために詳細は明らかにしていない。同局は護岸工事はサンゴに影響しないとして続行する方針。ただ、工事の進展に影響が出る可能性もある。

 沖縄防衛局が27日、防衛省で開いた環境監視等委員会(委員長・中村由行横浜国立大学大学院教授)で委員に説明した。

 防衛局は環境省が3月に海洋生物レッドリストを公表したことを受け、6月からK1護岸とN5護岸の間の海域でレッドリスト掲載のサンゴ類の生息状況を調査した。

 7月に絶滅危惧2類のオキナワハマサンゴ2群体、準絶滅危惧のヒメサンゴ12群体を発見したが、高水温が影響とみられる白化が見られたことから生息状況を確認していたという。海域内の調査を終えたため27日の同委員会で委員に説明した。今後、大浦湾側でも調査を実施する。防衛局はこれまで小型サンゴ類の移植対象条件を「被度5%以上で0・2ヘクタール以上の分布域内の長径10センチ以上のもの」と定めていた。生存するオキナワハマサンゴ1群体は長径6・5センチだが「埋立海域で確認されたレッドリストサンゴ」だとして移植する。