幼サンゴ付着1ヵ所止まり 辺野古、工事前は複数


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 名護市辺野古の新基地建設工事の施工区域内で、沖縄防衛局が11月に実施した幼サンゴの流入調査の結果、人工着床具14カ所のうち1カ所にしかサンゴが付着していないことが24日までに分かった。埋め立て工事前の2007年と08年の調査では複数回の付着が確認されている。工事がサンゴに与える影響について防衛局は「調査は継続中で、現時点で判断するのは難しい」との認識を示した。

 5日の第10回環境監視等委員会で防衛局が報告していた。同局はサンゴの生息分布状況を確認するため、施工区域内の海底に人工着床具を14カ所設置しており、8月と11月に調査を実施した。8月の調査では確認されず、11月にハナヤサイサンゴ1群体の付着が、工事開始後の調査で初めて確認された。

 防衛局は環境保全対策として、付着した幼サンゴの工事区域外への移植が妥当かどうか調査を進めている。さらに施工区域外の24カ所でも調査できるよう県に申請しているが、県はまだ許可を出していない。

 13年に防衛局が県に提出した埋立承認願書に添付の「環境保全図書」では、埋め立て工事開始後に幼サンゴの流入状況の調査を実施することとされていた。