沖縄県の翁長雄志知事が3月に訪米し、名護市辺野古の新基地によらない米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の閉鎖・返還を提案する計画であることが3日までに分かった。
普天間飛行場の移設に伴う辺野古新基地の建設に代わる案を作成し、米側に再考を促したい考えだ。県は、辺野古新基地は不要だとする、これまでの識者らの提案を基に、最終案を知事選前の秋をめどに県案として作成、発表する。3月の訪米時にはその前段階となる「骨子」を発表する方向で検討を進めている。
県は知事訪米に合わせ、米国で県主催のシンポジウムを開催する予定。知事がこの場で骨子について説明するほか、米国の安全保障の専門家や元軍人などらをパネリストとして招き、軍事戦略や安全保障戦略上も辺野古新基地によらない抑止力維持は可能だとする道を探る。
辺野古新基地は軍事戦略上、不要だとする声はこれまでも専門家の間からたびたび指摘されてきた。県は、中でも米ジョージ・ワシントン大のマイク・モチヅキ教授が提案する九州への拠点移転や、新外交イニシアティブ(ND)が提案する在沖海兵隊の実戦部隊と移動のための揚陸艦が合流する「ランデブーポイント(落ち合い場所)」を沖縄以外の場所に変更する案などに注目している。
さまざまな専門家の提言や意見を収集し、新基地が軍事施設上も合理的ではないことなどを指摘し、米側に再考を促したい考えだ。