沖縄県那覇市松尾のホテル建設現場で20日、米国製50キロ爆弾1発の不発弾処理が行われ、国際通りの一部を含む半径166メートルが午前10時20分ごろから約1時間封鎖された。安全処理は午前11時23分に完了した。
■「またか…」戦の遺物 観光に影 営業中断、旅行客は困惑
那覇市松尾の「国映館」跡地のホテル建設現場で20日、米国製50キロ爆弾1発の不発弾処理が行われた。国際通りを含む半径166メートルが一時封鎖され、住民約千世帯計約2500人、ホテルや土産店など約350事業所のが避難対象となった。国内外の観光客らでにぎわう那覇市中心部から人けが消え、立ち並ぶ店の多くがシャッターを下ろした。
市によると、国際通りを封鎖しての不発弾処理は2004年、17年9月に続いて3回目。不発弾は、昨年11月に発見された米国製50キロ爆弾1発で、長さ約76センチ、幅約20センチ。陸上自衛隊が午前10時39分に処理を始め、信管を抜く作業は午前11時23分に完了した。終了後、処理に当たった陸自隊員は、不発弾の状態について「強い衝撃が与えられていたら爆発していただろう」との見解を示した。
避難区域内の事業所は、開店時間を遅らせたり、業務を中断するなど対応に追われた。ホテルJALシティ那覇はチェックアウトを2時間早め、午前9時までに全員が退避するよう約200人の宿泊客に呼び掛けた。真柳宏二総支配人は「観光に影響が出ないといいが」と不安げに述べた。
国際通り沿いで60年以上続く大湾洋服店では、午前10時ごろシャッターを下ろした。大湾宗和さん(66)は「いろんな店があるので、どの時間帯に実施しても何らかの影響は出る」と話した。
東京都から観光に来た福沢朱実さん(63)夫婦は規制を知り「最悪だ」と嘆いた。観光最終日の午前中、国際通りを歩く予定だったといい、肩を落として来た道を戻った。
昨年9月の不発弾処理の反省を生かそうと、外国人観光客への対応を強化するため通訳を増員。通行止めの入り口では、通訳らが外国人観光客に地図を示しながら規制の時間や迂回(うかい)路を説明した。韓国から観光に来たチャールズ・リーさん(42)は「若い人にとっては戦争について考える機会になるのでは」と話した。