辺野古区民も名護市長選注視 熱く訴え両候補演説


この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 貞治
辺野古区を回る街宣カー=28日午前、沖縄県名護市辺野古(画像の一部を加工しています)

 米軍普天間飛行場の辺野古移設問題を大きく左右する名護市長選。現職の稲嶺進さん(72)と新人の渡具知武豊さん(56)は28日の告示後、辺野古区に足を運んだ。両候補者の演説には力がこもり、20年以上国政に翻弄(ほんろう)されてきた区民は真剣なまなざしを向けた。

 稲嶺さんは、応援に駆け付けた翁長雄志知事らと午前11時すぎに辺野古に到着。支持者らが拍手で出迎えた。稲嶺さんが「子や孫に基地被害を引き受けさせることが絶対にないように頑張ろう」と強調すると、支持者から「そうだ」と声援が飛んだ。

 めいっ子らと演説を聞いた薬剤師の當山尚史さん(33)=辺野古=は「新しい基地はいらない。再編交付金をあてにせず、自分で稼ぐ方向性がいいのではないか」と述べた。

 渡具知さんは、辺野古出身の宮城安秀市議らと午前10時半ごろマイクを握った。「地域の皆さんが幸せに暮らせるよう、市民の先頭に立って頑張っていく決意だ」と述べると、支持者が太鼓を鳴らして呼応した。支持者は「(寂れた)辺野古を変えて」と声を掛けた。

 渡具知さんを応援する漁師の男性=辺野古=は「もう基地はできてて止められない。海人(うみんちゅ)は警戒船などでお金をもらっているが、悪いことをしているわけではない」と話した。

 この日、新基地建設の工事の作業の様子は見られなかった。辺野古漁港では、警戒船に乗る海人らが天候を見ながら待機していた。(18名護市長選取材班)