故郷思い、沖縄から福島へ祈り 東日本大震災避難者ら


この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 貞治
東日本大震災で犠牲になった人たちに黙とうする参加者ら=11日、沖縄県糸満市潮平の沖縄山城間院長谷寺

 【糸満】東日本大震災で故郷を離れ沖縄県内で暮らす避難者や移住者らが集う「第2回福の島まつり」(福島避難者のつどい沖縄じゃんがら会主催)が11日、沖縄県糸満市潮平の沖縄山城間院長谷寺で開かれた。地震が発生した午後2時46分前から震災で犠牲になった人たちを追悼する法要を行った後、宗派を超えて参加者全員で黙とうをささげた。

 まつりでは、沖縄で再出発して起業した人たちの震災前から現在までの思いをまとめたDVDの上映や、情報をまとめた「つながるぶっく」の配布も行われた。

 沖縄じゃんがら会の桜井野亜会長(45)によると、地震が発生した3月11日の前には心的外傷後ストレス障害(PTSD)で苦しんだり睡眠が取りにくくなったりするなど、精神的に落ち込んでしまう人がいるという。桜井会長は「震災の体験は消えない。沖縄の大きな親戚のような雰囲気で会が精神的などだいとなれるよう、今後も節目に合わせて交流してつながっていきたい」と話した。

 福島県いわき市から避難して6年目という根本由美さん(43)=うるま市=は「3人の子どもたちも元気に成長し、沖縄でやりたいことを見つけて前を向いて進んでいる。黙とうをしながら沖縄の人たちへの感謝でいっぱいになった」と振り返った。