翁長知事「辺野古新基地建設はアジアの緊張緩和に逆行」 平和宣言


この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子
平和宣言をする翁長雄志知事=23日、糸満市摩文仁

 翁長雄志知事は23日の沖縄全戦没者追悼式の平和宣言で、「朝鮮半島の非核化への取り組みや平和体制の構築について緊張緩和に向けた動きが始まっている」と述べ、対話による東アジアの安全保障環境の変化を歓迎した。

 その上で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画について「平和を求める大きな流れの中にあっても、20年以上も前に合意した辺野古への移設が普天間飛行場問題の唯一の解決策と言えるのか。民意を顧みず工事が進められている辺野古新基地建設は、沖縄の基地負担軽減に逆行しているばかりではなく、アジアの緊張緩和 の流れにも逆行していると言わざるを得ず、全く容認できるものではない」と訴え、新たな軍事基地の建設に異議を唱えた。

 翁長知事が平和宣言で辺野古新基地建設問題に言及するのは、就任以来4年連続。政府が8月17日にも辺野古の海域に土砂の投入を始めることを県に通知する中で、「『辺野古に新基地を造らせない』という私の決意は県民とともにあり、これからもみじんも揺らぐことはない」と建設阻止の決意を改めて示した。

 翁長知事は国土面積の0・6%の沖縄に米軍専用施設面積の70・3%が集中している現状に触れ、「沖縄の基地の現状や日米安全保障体制のあり方について真摯に考えてほしい」と国民全体の議論を求めた。

 また、「かつて沖縄はアジアの国々との交易や歴史を通し、平和的共存共栄の時代を歩んできた歴史がある」とアジアと日本の架け橋としての沖縄の役割に言及し、「アジア地域の発展と平和の実現に向け、国際社会に貢献する役割をはたしていかなけれなならない」と呼び掛けた。【琉球新報電子版】