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ハワイ「海から豚」の日 記念日に 県人との絆 語り継ぐ イゲ州知事制定

ハワイ県系人の寄付で購入され、船で沖縄に移送される子豚=1948年

 70年前の9月27日、戦争で焦土と化した故郷沖縄の再生を願い、ハワイ県系人が贈った550頭の豚が沖縄に届いた。太平洋をまたぎ、ゆいまーるの精神で支え合ったウチナーンチュ。県系3世のデービッド・イゲ米ハワイ州知事は、その絆を後世へ語り継ごうと、同日付で「海を渡った豚の日」を制定した。

 地上戦で多くの物や命が奪われた沖縄の惨状を憂い、いち早く手を差し伸べたのがハワイのウチナーンチュだった。1947年、嘉数亀助が中心となり、ハワイ県系人らは沖縄へ救援物資を届けるため、寄付金集めに奔走した。翌48年8月31日、集まった約4万7千ドルを手に代表の7人が米本土で食糧用の豚や医薬品を購入し、オレゴン州の港から船で沖縄を目指した。想定外の食糧難や荒波に耐えながら出発から28日後、7人が沖縄の地にたどり着いたのが9月27日だった。届けられた豚は深刻な食糧不足に陥っていた県民を救い、後に沖縄再建に向けた経済的救済にも大きく寄与した。


9月27日を「海を渡った豚の日」に制定すると記したハワイ州の公式文書

 「ハワイ県系人に恩返しを」を合言葉に、県内でハワイ沖縄プラザの建設費として1億円超の寄付金を募った沖縄ハワイ協会の高山朝光会長(83)は「豚は沖縄とハワイの友好の証」だと強調する。戦争の名残で無数の機雷が海に浮遊する中、県系人は命懸けで海を渡った。

 県系人の同胞愛に心を打たれたという高山会長は「豚の日記念日を機に、沖縄とハワイの交流と絆がより一層深まれば」と期待を寄せた。
 (当銘千絵)