県政与党が提出した県民投票条例案が可決・成立したことを受け、与党からは全市町村での実施に向けて、態度を保留する市へのけん制や注文が相次いだ。「4択」の修正案を提案した自公からは選択肢が「2択」となったことに改めて不満が噴出した。
与党最大会派の社民・社大・結の照屋大河会派長は賛成多数による可決だったことに「地方自治法による直接請求だったので、野党にも賛成してほしかった。地域の人たちが意思表示ができる県民投票を実施してほしい」と要望した。
会派おきなわの平良昭一幹事長は、石垣市議会の動きなどを念頭に「県民の意思を示すのは大事で、協力しないと地域住民の権利さえ奪ってしまう可能性がある。当然協力しないといけない」とけん制した。
共産党の渡久地修団長は「知事選などで民意を示してきたが、政府はいろんな民意があると無視してきた。県民投票で明確に賛否を示すのは意義がある。政府が反論できない民意を示していこう」と訴えた。
野党自民党の照屋守之県議は「4択の方が民意は明確になる。『賛否』だけでは逆に県民の意思を強制的に集約させる。民主主義社会を否定することになり、投票を棄権する県民も増える懸念がある」と警戒感を示した。
公明党県本の金城勉代表は「条例が決まった以上は県民の判断を尊重する。今後の推移を見守りたい。ただ民意を問うのであれば賛成、反対だけではやはり民意をすくい上げるには足りない」と語った。
条例案の採決の際に退席した維新の会の當間盛夫会派長は「やるのであれば司法判断が出る前にやるべきだった。ただ、やるとなった以上、県民の意思を示す部分があるということでは賛成だ」と語った。