26日の県議会本会議で米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票条例案が可決されたことを受け、県民投票を支持する県民からは「沖縄の明確な民意を再び示す好機になる」と歓迎の声が上がった。一方、賛否の2択しかない選択肢では複雑な心境がくみ取れないとして、県民投票そのものの意義を問う意見もあった。
「率直にうれしい。全員で(基地問題について)考える機会を設けることが実現でき、個人的には誇らしい」。条例制定を直接請求し、実現に向け全県的な署名運動を展開した「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表は、条例成立の瞬間を傍聴席から静かに見守った。全会一致での賛成可決とならなかったことから、今後も反対する議員や市町村と対話を重ねて理解を得ていくとし「1996年の県民投票の投票率(59・53%)を上回る投票率を目指したい」と意気込んだ。
本会議を傍聴した、うるま市の前田テル子さん(66)も「知事選で民意は明白になったが、政府が納得するまで何度でも意思表明する」と強調。石垣市議会が県民投票に反対する意見書を可決するなど反対や態度を保留する自治体があることに「各自治体は市民から投票する権利を奪わないで。約10万筆の署名の重さを理解してほしい」と訴えた。
一方、那覇市の上原俊之さん(42)=会社員=は、投票の選択肢が賛否の2択では「県民の複雑な心境がくみ取れない」として反対する。「莫大(ばくだい)な予算を投じる価値があるのか。提起者にはあらためて県民投票の意義とメリットを明示してほしい」と指摘した。