国の撤回停止「違法」 県、係争委申し出事前通知


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、沖縄県は9日、国土交通相に対し、埋め立て承認撤回の執行停止決定を取り消さなければ国地方係争処理委員会に審査を申し出ると通知した。国交相の決定について「理由は明白に不合理で、違法性は明らかだ」と断じた。

 県は国交相に宛てた文書で、沖縄防衛局は行政不服審査法に基づいて執行停止を申し立てることはできないとし「不適法な申し立てにより執行停止決定をする権限は国交相にない」と指摘し、決定を取り消すよう求めた。

 国が行政不服審査法を使えないとする理由として、公有水面埋め立て承認は国の機関のみに限定されていることを挙げた。一般私人とは異なる立場(固有の資格)で承認を得て、撤回処分を受けたので、行政不服審査法の適用から除外されると説明した。

 また、国交省の前身である運輸省・建設省が1994年に示した通達を引用し、埋め立て承認は私人と同じ立場で受ける処分ではないと理解していたことを指摘。この通達と今回の執行停止決定が矛盾すると批判した。