土砂搬出は「違法」 玉城知事 公共用財産管理規則違反で琉球セメントを指導へ


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安和桟橋を利用した辺野古への土砂搬入作業は違法だと語る玉城デニー知事=3日夕、県庁

 沖縄防衛局が名護市安和の琉球セメントの桟橋で3日午前、辺野古新基地建設の埋め立てに使う土砂の搬出作業を始めたことを受け、玉城デニー知事は同日午後、県庁で会見し、県の公共用財産管理規則に照らして今回の土砂搬出に関する手続きが「違法」と指摘した。その上で公共用財産である桟橋の使用を即時に停止するよう琉球セメントに通知したことを明らかにした。通知後、搬出作業は中断された。さらに玉城知事は赤土等流出防止条例にも抵触するとの認識を示し、行政指導をする考えを表明した。

 玉城知事は公共用財産管理規則で定める桟橋の設置工事の完了届が、土砂搬出の作業開始までに県に提出されていないと指摘。県は琉球セメントに立ち入り検査に応じるよう要請した。

 県からの行政指導後に琉球セメントは完了届を提出したが、その内容の確認や同社への立ち入り検査が終了するまでは「土砂搬出の作業は再開できない」(県幹部)とみられる。

 玉城知事は公共用財産管理規則に違反することを挙げたほか、赤土等流出防止条例に基づき必要となる事業行為の届け出も出されていないことが判明したとして、作業を一時停止した上で届け出を提出するよう指導を行う方針を表明した。その上で「届け出がされないまま工事を強行したことは甚だ残念でならない」と述べた。また「辺野古新基地建設に反対する民意が繰り返し示される中で、違法に土砂の投入を行うことは断じて許されるものではない」と強調し、取り得る行政手続き上の措置を講じていくと話した。

 琉球セメントの担当者は「弊社としては何も答えられない」と答えた。