沖縄県、桟橋使用で検査要求 辺野古新基地土砂 国、完了まで作業できず


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土砂搬出作業が中断された名護市安和の琉球セメント桟橋。前日まで接岸されていた船の姿はなかった=4日午前

 沖縄県は3日、公共用財産管理規則に基づき、琉球セメント本社と屋部工場への立ち入り検査を申し入れた。4日までに同社からの回答はなく、検査の実施時期は確定していない。桟橋は立ち入り検査後に県が使用再開を認めるまで使うことができない状態が続く。

 県は赤土等流出防止条例の届け出も求めているが、4日までに提出されていない。条例の一般的な手続きの早さでは約2カ月の時間を要し、手続きが完了するまで国は作業を進められない。

 県は桟橋の設置状況や手続きに不備が確認された場合、公共用財産管理規則に基づき行政指導する方針だ。指導に従わず、改善が見られなかった場合、県は最終的な措置として許可を取り消す権利を持つ。

 県は3、4の両日に琉球セメントの土砂搬出現場で県赤土等流出防止条例の届け出を出すよう口頭で指導した。

 指導通りに手順を踏めば、同社の書類作成後、1~2週間で県が書類の不備を審査する形式審査がある。その後、同社が正式に書類を提出した上で、県が45日以内に赤土流出防止策の内容を審査する。審査の結果、必要があれば計画の変更を命じることができる。

 届け出をせずにさらに事業を進めた場合、指導より強い中止命令となり、違反すると50万円以下の罰金が科せられる。同社が届け出の提出を避けるため既に積み上げた土砂を撤去する可能性もある。県は撤去の際にも届け出の提出を求めることを検討している。