行政指導を無視し、国が土砂積み込み作業を続行 沖縄県、行政処分も検討


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埋め立てに使う土砂を詰め込む運搬船=6日午前、名護市安和(ジャン松元撮影)

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立て用土砂の搬出を巡り、沖縄防衛局は6日、立ち入り検査まで作業を一時停止するよう求めた県の行政指導を受けたにもかかわらず、名護市安和の桟橋で船への土砂の積み込み作業を続行した。県は琉球セメントの桟橋を土砂搬出に利用していることが「転貸」や「目的外使用」といった条例、規則違反に当たる可能性もあると見て、行政処分を視野に対抗策の検討を続けている。

 6日の県議会代表質問で、国が固執する14日の土砂投入を止める手段を問われた玉城デニー知事は「県庁一体で議論をし、行政上打てる手だてを尽くす」と埋め立て阻止への決意を改めて示した。

 公共用財産管理規則違反という県の指摘で、琉球セメントが桟橋工事の着手届と完了届を4日になって提出してきたことを受け、県は桟橋の立ち入り検査が済むまで作業を停止するよう求めていた。それに反して作業が実施されたことを受け、再要求も検討する方向だ。県は弁護士を交え協議を続けている。一方、開会中の県議会対応で県内部の調整に遅れも見られ、立ち入り検査の実施日は6日現在、決まっていない。