辺野古 土砂投入 政府 埋め立て強行 玉城知事批判「激しい憤り」


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次々とトラックから投入される土砂=14日午後3時33分ごろ、名護市の米軍キャンプ・シュワブ沿岸(小型無人機で撮影)

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に向け、沖縄防衛局は14日午前11時、米軍キャンプ・シュワブがある辺野古崎南側の埋め立て予定区域に土砂を投入した。玉城デニー知事は埋め立て事業の手続きに違法性があるとして12日に防衛局に行政指導していたが、国は沖縄県の工事中止の求めには応じず、事前に通知していた14日の土砂投入を強行した。記者会見した玉城知事は「工事を強行するほど県民の怒りはますます燃え上がることを認識すべきだ」と国を強く批判した。

 2017年4月に政府が海上での護岸建設に着手して以降、本格的な埋め立て作業は初めてとなり、新基地建設は新たな段階に入る。

一方で玉城知事は、今後想定される大浦湾側の地盤改良に伴う設計変更の承認権限も行使しながら新基地建設阻止に取り組む構えを崩しておらず、埋め立て作業が国の計画通り進むかは依然見通せない。

 国が土砂の投入を始めたのは辺野古崎南側の「K4」「N5」「N3」の護岸に囲まれる浅瀬の海域。面積は約6・3ヘクタールと埋め立て予定区域では最も小さく、新基地建設全体の埋め立て面積約160ヘクタールのうちの4%に当たる。

 沖縄防衛局は14日午前8時半、県に土砂投入を行うことを伝えた。現場では午後8時すぎから準備作業が始まり、午前9時に土砂を積んだ台船が辺野古崎北側のK9護岸に接岸した。台船上で土砂をダンプカーに積み替えて埋め立て予定区域まで運び、ダンプカーの荷台から降ろした土砂をブルドーザーで海岸に押し込んだ。土砂の陸揚げや海域への投入作業は午後4時すぎまで続けられた。

 国が土砂投入に着手したことを受け、玉城知事は午前11時45分から県庁で会見を開いた。玉城知事は、県が11月29日に国地方係争処理委員会に申し立てた審査の判断が示されていない上、12月12日に防衛局に行政指導し、13日には上京して菅義偉官房長官と岩屋毅防衛相に工事中止を直接訴えたことに言及。「県の要求を一顧だにせず土砂投入を強行し、激しい憤りを禁じ得ない」と語気を強めた。15日にはキャンプ・シュワブのゲート前を訪れる予定。