沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、県による埋め立て承認撤回の効力を国土交通相が止めて国が土砂投入に着手した問題で、謝花喜一郎副知事は16日、県庁を訪れた国政野党の国会議員との意見交換会で「国(の姿勢)はあまりにもひどく、行政の取り得る手段として第2の(埋め立て承認)撤回を視野に入れることも(念頭に)置いて作業を検討している」と明らかにした。玉城デニー知事も記者団に撤回は「理論上可能だ」と述べた。
承認撤回を重ねる理由として謝花副知事は、埋め立て土砂に含まれる物質を証明する性状検査について、沖縄防衛局が県に提出した資料に2016年3月の古い検査結果が含まれ、実際に投入されている土砂と違う疑いがあることや、「K9」護岸を当初の計画にはない桟橋に転用していることなどを挙げた。
謝花副知事は「こういうことが積み重なると、(埋め立て承認)事後に生じた事由として撤回も考えられる」と指摘し「撤回は一度しかできないという気持ちがあったが、これだけひどい状況だと第2、第3の撤回も考えざるを得ない」と付け加えた。ただ、謝花副知事は意見交換後の取材に「私の考え」として全庁的な検討ではないと説明した。