県民投票 与党3択容認 全県実施へ自民対応焦点


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新里米吉議長に条例改正案案を容認することを伝えた後、議長室から退出する(左から)会派おきなわの瑞慶覧功会派長、共産党の西銘純恵県議、社民・社大・結の照屋大河会派長=23日、県議会

 辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票を5市長が拒否している問題で、県政与党3会派の代表者は23日、新里米吉県議会議長と面談し、現行の賛否2択に「どちらでもない」の選択肢を加え、3択とする条例改正を容認する意向を伝えた。与党の社民・社大・結とおきなわが難色を示してきたが、全県実施に向け足並みをそろえた。24日に全会派参加する代表者会議が開かれ、県民投票条例に反対してきた自民党も3択に応じるかが焦点となる。24日で投開票日まで残り1カ月に迫る中、全県実施が実現するか、最大のヤマ場を迎える。

 新里議長と面談し3択容認を伝えた与党代表者会議の照屋大河座長は「全県実施と県議会での全会一致が認められるなら、柔軟に対応し、テーブルに着きたいと議長に伝えた」と記者団に明らかにした。一方で「『賛成』『反対』『どちらでもない』の条例改正のみ可能だ」と説明、さらなる譲歩には応じないとも述べ、自民党が要求を拡大することをけん制した。

 与党の動きを受け自民党は23日夜、緊急の役員会議を開いて対応を協議した。島袋大幹事長は取材に「まずは代表者会議に出て内容を確認する」と述べるにとどめた。一方で「何一つわれわれに説明がないのはおかしい」と不満も漏らした。自民党は22日に県民投票条例の「仕切り直し」を求める声明を発表しており、会派代表者会議での3択への意見集約は難航が予想される。

 中立会派の公明党と日本維新の会は、いずれも3択に賛成する方針。全会派で一致すれば、29日までに県議会を開いて条例が改正される見通しだ。

 県議会が3択でまとまった場合、投開票を拒否している宜野湾、沖縄、うるま、宮古島、石垣の5市長の判断が鍵を握る。5市長とも取材に対し、3択への条例改正の議論におおむね好意的な感触を示した。ただ、5市は投票事務を進めておらず、2月24日の投開票に間に合うかは極めて微妙な情勢だ。県は5市に限って投開票日の延期も検討する。