「民主主義、地方自治の侵害」「辺野古唯一は欺瞞」 憲法学者が辺野古新基地建設反対の声明 131人が賛同


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辺野古新基地建設に反対の声明を発表する憲法学者の有志ら=24日、都内の衆院議員会館

 【東京】稲正樹(いな・まさき)・元国際基督教大教授ら憲法学者の有志一同が24日、都内の衆院議員会館で会見し、辺野古新基地建設の強行に反対する憲法研究者声明を発表した。24日時点で131人の憲法研究者が声明に賛同している。会見に出席した憲法学者らは「沖縄の県民の基本的人権の問題であるのと同時に、日本国の民主主義の問題だ」などと訴えた。辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票の結果が出るまで工事中止することも求めた。

 稲氏によると、辺野古新基地建設問題に対して憲法学者の有志が声明を出すのは初めて。国内には憲法学者は500~600人いるとみられる。賛同者は引き続き募る。

 声明は「安倍政権の辺野古新基地建設強行は、民主主義、地方自治を侵害するものだ」と憲法上の問題点を指摘している。さらに「辺野古が唯一の選択肢という安倍政権の主張は欺瞞と言わざるを得ない」と示した上で「憲法研究者有志一同は、平和で安全な日本、自然豊かな日本を子どもや孫などの将来の世代に残すためにも、辺野古新基地建設に強く反対する」と訴えている。

 稲氏は「辺野古の基地建設は日本国民にとっての問題だ。住民の意思を一顧だにしない基地建設は住民自治という憲法の地方自治の本旨に反する」と指摘した。県民投票は「沖縄の本当の民意とは何かを明らかにする大事な機会だ」と述べた。

 笹沼弘志静岡大教授は「民主主義の根幹に関わる問題。われわれが辺野古の問題を日本国民全体の問題として議論せず、放置することで沖縄の人の人権を傷つけ踏みにじっている」と強調した。

 志田陽子武蔵野美術大教授は「県民の反対は憲法が保障する意思表明の在り方の一つで、決して軽視、黙殺してはならない。無視した土砂の一方的な投入は憲法の許容する限度を超えている」と述べた。県民投票の結果については「国政担当者は少なくとも民意がどのようになるか誠実に聞く必要がある」と求めた。

 石川裕一郎聖学院大教授は「基地建設の合理性ではなく、明らかに沖縄への嫌がらせ、ハラスメントの要素もある。性暴力にも似ている。圧倒的な力で弱い者に有無を言わせずする手法は、現政権のさまざまな局面を思い出させるもので、辺野古はその象徴的な場として表れている」と話した。

 飯島滋明名古屋学院大教授は「安倍自公政権が沖縄で行っているのはまさに『法の支配』の蹂躙で、中国などに対して法の支配を順守せよと主張する資格はない」と強調した。

 声明は内閣と防衛省、外務省、自衛隊、沖縄県など公的機関に加え、全政党に送付する。さらに今後、賛同者で何らかのアピール行動も検討している。【琉球新報電子版】

<辺野古新基地建設の強行に反対する憲法研究者声明>