玉城デニー沖縄県知事は25日、東京都の早稲田大学で講演し、沖縄の現状について「非民主主義としか思えない状況が続いている。名護市辺野古の埋め立てと日本の民主主義の現状を重ねてみてほしい」と、国民一人一人が民主主義の在り方を考えてほしいと訴えた。約700人が来場した。
沖縄県北谷町の米兵の女性殺害事件や、3年前の元米兵による女性殺人に言及し「再発防止や綱紀粛正が言われてもまた起こる。同胞の尊い命が失われたのは遺憾だし、激しい憤りを禁じ得ない」と語気を強めた。小学校や保育園に米軍部品などが落下する事故にも触れ、日本政府による米側への働き掛けが弱いと指摘した。
知事就任から半年が過ぎたことに「仕事の半分が基地問題。突発的に起こる事件事故に初動でメッセージを出さないといけない。安保は沖縄だけではなく、日本全体の問題だということを皆さんに伝えていく仕事も知事に託されている」と振り返った。
もともと本土にあった在沖米海兵隊が沖縄に移った歴史を紹介し、日米安保の負担が沖縄に偏在している現状を「沖縄の基地は強制接収で造られていったことも理解してほしい。日米安保の現実が近くにないが故に見えていない。日米地位協定も本質を不可視化されている。この現実をしっかり受け止めてほしい」と強調した。
県民投票の会代表の元山仁士郎さんも登壇して県民投票の取り組みなどについて話し「周りの人にどう伝えていくのか考えてほしい」とした。