業者が埋め立て土砂搬出のため柵設置 沖縄県は容認 市民「排除だ」「知事の言うことと現場が乖離している」と反発


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本部港・塩川地区の荷さばき地に設置された緑色の柵とオレンジ色のネットでトラック誘導路を造る警備員(左端)=21日、本部町

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局が土砂を搬出した本部港塩川地区では21日、警備員らが岸壁から約70メートルにわたってフェンスやネットを設置し、工事車両の進入経路を確保した。安全管理を理由とした業者の設置要請に県が理解を示した。「抗議排除の意図はない」としているが、市民からは「実質的な排除だ」と反発の声が上がっている。

 フェンス設置を巡っては今月17日、業者が「抗議活動の人々が車両の走路に立ち入るなど危険な行為が続いている」として、港を管理する県に適切な対応を要請していた。県の担当者は21日、本紙の取材に「安全管理の一環として、事業者の要請に理解を示した」と述べた。本部港は公共施設であることから「荷さばきなど第三者も使用する。他の作業に支障のないよう、すぐに撤去できるというのが条件だ」とした。

 本部町島ぐるみ会議の高垣喜三さんは「土砂搬出そのものが駄目だ、と県が主張している工事だ。知事の言うことと現場の状況が乖離(かいり)している」と指摘。「(フェンス設置は)条例で定められたものでもなく、法律上許可せざるを得ない種類のものでもない。県の姿勢が問われる」と述べた。