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トランプ大統領が日本の大量購入を称賛した「F35」って? 「人間の聴力の限界に迫る」騒音に沖縄では住民から悲鳴も…

訓練飛行する米軍嘉手納基地に暫定配備されたF35A戦闘機=2018年3月22日、嘉手納町の米軍嘉手納基地上空(読者提供)

 令和時代初の国賓として来日したトランプ米大統領。共同通信によると、28日に米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)を訪問した際、日本が最新鋭ステルス戦闘機F35を105機調達する計画に言及し「同盟国で最大だ」と称賛したそうです。このステルス戦闘機F35。沖縄の米軍基地では既に海外や県外の米軍基地所属機が飛来し、最近は宜野湾市の普天間飛行場周辺で「人間の聴力の限界に迫る」と表現されるほどの騒音をとどろかせています。F35とはどんな戦闘機でしょう。騒音は?これまでのニュースを元にまとめました。(田吹遥子)


襲揚陸艦の甲板を模したLHDデッキ付近を飛行する米軍のF35ステルス戦闘機=2018年12月4日午後2時41分ごろ、伊江村の米軍伊江島補助飛行場(又吉康秀撮影)

■沖縄では嘉手納、伊江、普天間に飛来

 F35とはレーダーに探知されにくいステルス性能を備えた戦闘機。F16戦闘機の後継機として開発されています。通常飛行のA型と垂直離着陸ができるB型があり、日本政府はA型B型合計で105機を購入する予定です。沖縄の米軍基地ではどちらの型とも既に飛来したことがあります。
 F35は2006年から沖縄本島中部の嘉手納基地(嘉手納町)への配備が検討されていました。実際に県内に初飛来したのは2017年6月で嘉手納基地でした。その後、同基地では半年間12機の暫定配備もありました。

 それから18年12月には、島内の飛行場内にF35Bの離着陸ができるようなデッキを新たに建設した伊江島補助飛行場(伊江村)に飛来。同年普天間飛行場(宜野湾市)にも飛来するようになりました。現時点で県内の基地への常態的な配備はありませんが、一時的な飛来地を拡大しています。

記事:ステルス戦闘機が夜間訓練 伊江島着陸帯


米軍普天間飛行場を離陸する最新鋭ステルス戦闘機F35BY=5月16日午後7時16分、宜野湾市上空

■夕飯時に「聴力の限界に迫る」騒音

 F35で最大の問題が騒音。宜野湾市の普天間飛行場などでは「人間の聴力の限界に迫る」と説明される120デシベルを超える騒音が既に記録されています。2018年12月5日に普天間飛行場に飛来した際は午後8時31分に宜野湾市の上大謝名公民館で123・7デシベルでした。同時刻に100デシベル超えが3回も。市の基地被害110番には「こんな時間に飛ばすのは迷惑だ」など9件の苦情が寄せられました。

 5月16日午後6時19分にF35Bが2機が飛来した際は、同公民館で124・5デシベルを記録しました。これは県が騒音測定を開始した1998年以降で最も高い値です。
 F35が上空を飛んでいる際、公民館近くに住む上江州廣吉さん(72)は夕ご飯を食べていました。地響きのような音でガタガタ震え「うるさかった。どうにかしてほしい」と話しています。

記事:「どうにかしてほしい」市民から悲鳴 普天間飛行場で過去最高の124・5デシベル 人間の聴力の限界に迫る騒音

■苦情も最多に

 F35などの飛来に伴い、米軍機への苦情の件数も増えました。米軍嘉手納基地を抱える嘉手納町に寄せられた騒音や排ガスへの苦情が2016年度の165件から17年度は6・3倍増の1039件に上り、1991年度の苦情受け付け開始以降最多となりました。


 普天間飛行場を抱える宜野湾市でも普天間飛行場の騒音への苦情が2018年度で684件に上り、苦情受け付け開始以降、最多となりました。 「嘉手納に40年住んでいるが感じたことのない騒音」「戦闘機がうるさくて、子どもが怖がって外で遊べない。なんとかして」「赤ちゃんがびっくりしてる」など、周辺市町村からはさまざまな苦情が寄せられました。

記事:騒音への苦情 過去最多684件 5年連続増加 市民の負担限界 普天間飛行場の返還合意から23年

■墜落事故も…

 墜落事故も起きています。共同通信によると、2019年4月、青森県の航空自衛隊三沢基地の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが消息を絶ち、後に機体の一部が見つかりました。防衛省は機体が墜落したと断定、F35Aとして世界初の墜落事故と明らかにしました。また、同年5月7日には、山口県の米軍岩国基地に配備されているF35Bが離陸中に鳥と衝突するバードストライクがあり、米海軍安全センターが「最も重大」な事故と判断しています。