辺野古埋め立て 大幅に遅れ 土砂投入から半年


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
辺野古新基地建設埋め立て区域に、沖縄防衛局が土砂投入を始めてから14日で半年。県民投票で示された反対の民意をよそに作業が進む工事現場=13日午前、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸(小型無人機で撮影)

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、政府が埋め立て予定区域への土砂投入を開始して14日で半年となった。政府は、2月の県民投票で示された「反対」の民意を顧みず埋め立てを進めるが、現状は当初計画より大幅に遅れている。

 政府が県に提出した埋立承認願書によると現在、土砂投入が続けられている辺野古崎付近海域の埋め立て工事は約6カ月で完了すると示されている。13日、本紙小型無人機で確認すると、全体の約7割で海面が見えている。2018年12月に土砂投入が始まった、辺野古崎突端部に当たる区域(2)―1は半分ほどが埋め立てられているが、今年3月に土砂投入が開始された辺野古漁港側の区域(2)は埋め立てがほとんど進んでいない。

 工事の加速を図る政府は、これまでのK9護岸に加え、11日から辺野古崎東側のK8護岸から埋め立て用土砂の陸揚げを始めた。県はK9、K8護岸での海上搬入は当初計画にない係船機能とし、工事中止を強く求める行政指導文書を沖縄防衛局に送っている。

 移設計画が立ち上がった当初から現場で抗議活動を続けるヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表(73)は「安和や辺野古、海上で抗議する市民の力が工事を遅らせている。あきらめず、これからも非暴力で抵抗を続けていく」と語った。