沖縄県の許可なく警備業者が港を仕切り、市民の通行を制限 辺野古埋め立て土砂搬出の本部港塩川


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荷さばき地の区域外で網を持って立つ警備員と搬出に反対する市民ら=24日、本部港塩川地区

 【辺野古問題取材班】沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う本部港塩川地区での土砂搬出で、沖縄防衛局から委託を受けた民間業者が24日、町や県の許可なく港の一部を網で仕切り、市民の通行を阻止した。工事関係車両は午前7時すぎから午後5時まで搬出作業を続け、車両120台分の土砂を台船に積んだ。

 沖縄防衛局は岸壁の一部を仕切る行為の法的根拠に関する琉球新報の質問に「関連事業者が自主的な安全対策として行ったもの」とし「こうした自主的な安全対策は、関連事業者が県北部土木事務所に、7日申し入れを行った上で実施している」と回答した。

 警備員はオレンジ色の網を2人一組で持ち、緑色の柵と共に港の南側の一部を仕切って市民の通行を妨げた。午前9時すぎに一度仕切りを解除したが、工事車両が港に入る正午前に再び市民の通行を制限した。

 沖縄平和運動センターの山城博治議長は「町や県の許可なく岸壁の一部を仕切ることに法的根拠はあるのか。県は毅然(きぜん)と防衛局に是正を求めるべきだ」と指摘した。名護市安和では工事車両52台が、琉球セメントの桟橋に仮置きした土砂を台船に積んだ。塩川と安和で同時に土砂の積み込みが行われるのは初。