沖縄県の撤去要請を沖縄防衛局と業者は無視


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荷さばき地の区域外で網を持って立ちふさがる警備員ら=24日、本部港塩川地区

 沖縄県の本部港塩川地区からの土砂搬出を沖縄防衛局から委託された民間業者が、町が使用を許可した区域外に柵や網を設置して市民の抗議行動を制限したことを受け、県は24日、業者と防衛局に撤去を申し入れたが聞き入れられず、設置が続いた。

 本部港管理事務所が防衛局に改善を求め、県北部土木事務所も2度撤去を申し入れた。同事務所は本紙取材に「一部の柵について安全対策で設置したいとの申し出が業者から事前にあったが、設置可否などについて検討中なので実施しないよう求めていた」と答えた。

 塩川地区で土砂搬出を監視する本部町島ぐるみ会議の原田みき子さん(70)は「公共スペースを勝手に占拠して県民を排除するのは人権侵害だ」と憤った。

 基地問題に関する法律に詳しい三宅俊司弁護士は「安全確保のための設置ということだが市民の抗議活動を封じ、新基地工事を進めるのが目的であることは明らかだ。民間に許される行為をはるかに超えており、違法状態といえる」と指摘。「目的が使用条件に反しているわけだから県と町は直ちに中止させる手続きを取るべきだ」と話した。