「辺野古について知っていますか?」 米在住で県系2世の高校生が辺野古のドキュメンタリー作品を発信 SNSで拡散


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与那嶺海椰さん

 米オレゴン州ポートランド在住で沖縄県系2世の高校生、与那嶺海椰(かいや)さん(17)が名護市辺野古の新基地建設問題を米国や世界に発信しようと、「我した島ぬ宝(私たちの島の宝)Our Island’s Treasure」と題したドキュメンタリー作品を完成させた。3月に来沖して撮影した辺野古の様子や新基地建設に反対するウチナーンチュの思い、米国・沖縄の若者たちのメッセージを、字幕を使って英語、日本語両方で伝えている。ウェブ上で配信し、ソーシャルメディアなどでの拡散で「辺野古のために立ち上がろう」と行動を呼び掛けている。

 与那嶺さんは、母緑(もえ)さん(41)=那覇市出身=と昨年8月、米軍キャンプ・シュワブゲート前の抗議運動に参加。生物多様性に富む海への土砂投入や、抗議運動を続ける戦争体験者たちの姿に心を痛める一方、米国内で沖縄の情報が圧倒的に不足していると痛感した。沖縄の現状を伝え、国境を超えた若者のつながりをつくろうと、制作を決意した。

与那嶺海椰さんの制作したドキュメンタリー「我した島ぬ宝(私たちの島の宝)Our Island’s Treasure」の1シーン(日本語字幕)
「我した島ぬ宝(私たちの島の宝)Our Island’s Treasure」の1シーン(英語字幕)

 約30分間の作品は、高校の友人たちに「辺野古について何か知っていますか」と問う場面から始まる。米高校生からの「米軍基地が生活にどんな影響を与えているか」「辺野古で起こっていることをどう感じているか」「米国の若者に伝えたいことは」などの質問に、沖縄の10、20代の若者や辺野古に暮らす島袋文子さん(89)、玉城デニー知事らへのインタビューで答えていく。琉球や沖縄戦の歴史、戦後の米軍基地建設と沖縄の過重な負担についても触れている。

 与那嶺さんは「米国の高校生を沖縄の若者と結び付け、この危機への意識を広げる方法をつくりたい」と話している。

 作品のURLはhttps://vimeo.com/340517922
 (座波幸代)