任期満了に伴う第25回参院選は21日午後8時に投票箱が締め切られた。沖縄選挙区では「オール沖縄」勢力から支援を受けている新人で琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)が当選を確実にした。高良氏が選挙中に訴えていた政策などを振り返る。
―最も訴えている政策は何か。
「一番大きいのは辺野古の問題だ。辺野古の基地建設という県民の民意は明確に出ているが政府は工事を強行している。民意を無視することに対して民意を表すために出馬を決意した」
―有権者から最も取り組んでほしいと感じた政策は。
「沖縄の基地負担について安倍政権は矛盾している。県民の心に寄り添っていない。消費税の問題もそうだ。日銀短観では景気降下という判断が出た。こういう中で消費税を増税するのは認められない」
―辺野古移設に具体的にどう対応するか。
「普天間の危険性を具体的に発信していきたい。大規模な海兵隊は沖縄に駐留する必要はない。多大な税金を使って辺野古の基地を造る必要が本当にあるのかを国民全体に問いたい」
―無所属議員として辺野古の工事をどう止めるか。
「辺野古新基地建設反対に至った県民の声の原点を多くの国民は実態として知らない。単に賛成か反対かではなく、政府はこれまで振興策とリンクさせてきた。そうした歴史や実態を国会の中で訴えたい」
―辺野古の自然をどう回復させるか。
「自然の回復力がある。沖縄戦で壊滅的に破壊された自然は回復している。辺野古の護岸を元に戻し、海流を通すことで回復していく。最新の土木技術を生かして回復を手助ける人工的サポートも行っていく」
―次期沖縄振興計画の必要性やこれまでの沖縄振興計画の評価は。
「振興開発に力を入れてきた部分は評価する。地元にきちんと利益が環流される仕組みをつくる必要がある。次期振興計画にはアジアの経済成長を取り入れ、制度として地場産業の育成や発展ができる仕組みを取り入れたい」
―憲法改正の是非は。
「自衛隊という組織が憲法に書かれると憲法上の機関になる。自衛隊法の改正で自衛隊の縮小や災害救助隊に一部変更ができなくなる。組織や予算などの影響は非常に広範になる。拙速な議論であり認められない」