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砲撃で2人が大けが 新里正子さん(3) 家族を失って<読者と刻む沖縄戦>


砲撃で2人が大けが 新里正子さん(3) 家族を失って<読者と刻む沖縄戦>
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 命がけで逃げ回っていた新里正子さん(84)=読谷村=らは「ここは危ない」と引き返すことになります。糸満からやんばるに向かい、現在の宜野座村にたどり着きます。
 《命(ぬち)かじり 逃(ひん)ぎまーいそーいびたしが 「くまーうかーさぬ 大事(でーじ)ないんどぉー」 皆うっちぇーりてぃ ヤンバルかい避難さびたん。
 何日歩(あ)ちゃらーわからんしが あがとう糸満(いちまん)から宜野座ちちょーいびーたん。》
 皆、疲れ果てて木の下に休んでいました。近くの木の下にも、多くの避難民が隠れていました。急に爆音が聞こえたかと思うと、「やられた」という泣き声が聞こえてきました。
 《皆 疲(うた)いちりてぃ まぎ木(きー)ぬ下(しちゃ)うてぃ休(ゆ)くとうーたくとぅ 近くぬ木ぬ下かい 避難民ぬ達(ちゃー)が ちゃっさん 隠(くゎく)とーいびーたん あったぐぁに爆弾がドカーン パラパラぬ聞(ち)かりーたしが 「なまねーさったるむん」泣き声が聞かりやびたん。》
 祖父が「ここも危ない」と言うと同時に爆弾の破片が飛び、叔父の妻、清子さんの足が吹き飛ばされ、祖父も片手半分を失いました。2人は「痛いよ、助けて」と泣き叫びました。
 《たんめーが「くまん うかーさるむんなー」でぃ言いーしとぅまじゅん 爆弾ぬ破片が家族ぬ前(めー)んかい飛(とぅ)んでぃち うじゃさーの嫁、清子おばさんぬ片足かい当たてぃ 片足や吹ち飛ばさりてぃねーらん たんめーや片手半分たっ切らってぃ 骨とぅ皮ぶらさがってぃ 2人や「アガヨー アガヨー 助きてぃくり」大泣ち。》