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玉城知事「沖縄戦を継承する経験生かせる」 カンボジア紛争伝える博物館の運営に沖縄県が協力 覚書締結


玉城知事「沖縄戦を継承する経験生かせる」 カンボジア紛争伝える博物館の運営に沖縄県が協力 覚書締結 覚書を締結したヘン・ラタナ長官(左から2人目)と玉城デニー知事(同3人目)=6日、那覇市泉崎の県庁
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 沖縄県とカンボジア地雷対策センター(CMAC)は6日、「地雷対策を通じた平和と人間の安全保障の啓発・普及のための博物館づくり」覚書を締結した。那覇市の県庁で同日、玉城デニー知事とCMACのヘン・ラタナ長官が参加して署名式が行われた。

 JICA(国際協力機構)草の根技術協力事業の一環で、県が提案した。CMACがカンボジアで運営する地雷対策平和博物館(PMMA)は、ラタナ長官が約10年前に糸満市の県平和祈念資料館を視察し、着想を得て設立された。PMMAを運営する職員の育成や資料の展示方法が課題となっていた。同事業では、県立博物館・美術館と県平和祈念資料館の学芸員を現地に派遣し、技術協力を行うほか、PMMAの職員を沖縄に招いた研修などを予定している。実施期間は2023年10月~26年1月まで。

 玉城知事は「カンボジアでは若い世代に紛争の記憶や平和の重要性を語り継ぐことが大きな課題と聞いている。沖縄戦の実相と教訓を継承する経験を生かせるものと思っている」と語った。

 ラタナ長官は「感謝の気持ちでいっぱい。カンボジアの平和は安定したものではない。正しい方向を向いて運営していくことが大事」と話した。

 県では2009~12年にカンボジアのトゥール・スレン虐殺博物館の職員を受け入れた実績がある。

 (渡真利優人)