沖縄テレビ(OTV)ディレクターの平良いずみさんが制作したドキュメンタリー番組「続・水どぅ宝」が13日午後7時から同局で放送される。有機フッ素化合物(PFAS)汚染を追う番組の続編。平良さんは「汚染が深刻な米国の現状を目の当たりにした。米国では市民が声を上げ、法的規制が厳しくなっているのに、日本国内では対策が遅れている」と指摘する。
平良さんは、在沖米軍基地周辺の河川や湧き水のPFAS汚染が表面化した8年前から取材を始めた。母親になり水道水を温めてミルクを作っていたため、不安は募ったがどこか諦めていた。しかし、沖縄の母親らが水の安全性を求め、行動するのを見て「頭をガツンと殴られた思いがした」という。
PFAS汚染を追った「水どぅ宝」は22年に放送され、第60回ギャラクシー賞に入賞した。
今回はPFAS汚染が深刻な米国各地を訪ね、影響や被害を丹念に取材した。がんで亡くなった20歳の女性は、死去の直前まで州議会で規制を訴え、PFASに網をかける州法の制定につながった。日本国内ではあまり取り上げられていない土壌汚染の問題も扱う。平良さんは「取材すればするほど怖くなる。番組が問題を考えてもらうきっかけになれば」と話した。
(中村万里子)