若年妊産婦の支援などをする一般社団法人「おきなわ子ども未来ネットワーク」(山内優子代表理事)は3日、若年母子一体型自立支援施設「みらいシンシア」の内覧会を本島中部で開いた。同法人が実施する、シングルマザーの運転免許取得支援事業の一環。安心安全な生活環境の下で免許取得とその後の就職まで支え、シングルマザーの自立へつなげることが目的。
今回入居するのは10~20代のシングルマザー3人と、その子どもたち。9月中旬に入居し、来年2月まで集中的に教習所に通う。施設は借り上げたアパートの1室。約6畳の個室3部屋とスタッフルーム、キッチンと2カ所のトイレ、共有スペースなどがある。免許取得費用と食費など入居費用は無料。常駐スタッフらが子どもの保育園の送迎や食事の提供など母子の生活全般を支える。
同法人では2022年からシングルマザーを対象に免許取得費用30万円を助成する事業を実施してきた。これまでに県の助成金や自主財源を活用して8人を支援し、5人が免許を取得した。
順調に免許を取ることができた人がいた一方で、安定した住居や仕事がなく生活がままならなかったり、教習所に通う間の子どもの預け先がなかったりして、免許をあきらめざるを得なかった女性たちもいた。そうした現状を踏まえ、母子の生活基盤を整え免許取得に集中できるようサポートするため、施設の開所に至った。
本年度は施設に入所する3人のほかに、自宅から教習所に通う3人のシングルマザーの免許取得費用も助成する。資金は県労働者福祉基金協会などによる休眠預金活用事業「子育て世帯等が生活困窮・就労困難な状況から抜け出す自立支援プロジェクト」と、県労働金庫の「働く人と子どもの明日を応援プロジェクト」を活用する。
山内代表理事は「車社会の沖縄で、免許は不可欠。自立したいと思っているお母さんたちを支え、免許取得から就職まで支えていきたい」と意気込みを語った。
(嶋岡すみれ)