月経や更年期の体調不良にお悩みの方はいませんか。女性ヘルスケア専門医があなたの悩みを解決いたします。
女性は、思春期から性成熟期、更年期へと成長や加齢に伴って女性ホルモンの分泌量が変化し、体調やこころの健康、生活にさまざまな影響を受けます。
例えば、思春期では月経が発来し、子どもから大人の女性へと体が変化していきます。ですが、まだ準備段階のため月経周期が整わなかったり、月経時や月経前に体調を崩して学業やスポーツなどでベストを尽くすことができなかったりすることがあります。
性成熟期においては、月経随伴症状や内膜症、子宮筋腫、不妊などの悩みが多い時期です。医療が発達した現代においても、妊娠や出産が命がけであることには変わりはありません。
女性ホルモンが減少する更年期では更年期症状がみられることがあります。女性の体は、妊娠という命がけの出来事に対応するため、女性ホルモンで守られていると言われています。高血圧や糖尿病が増えてくるのは、女性ホルモンの分泌が減るこの頃からです。
超高齢化社会を迎えた今、女性の元気がこれまで以上に期待される時代です。働く女性に目を向けますと、妊活・不妊治療と仕事との両立に悩む方や、月経や更年期の体調不良について職場の理解が得られず無理して仕事をせざるを得ない方が数多くおられます。
経済産業省の試算では、月経随伴症状による労働損失が4911億円に上ると言われています。これを受けて、女性の健康課題を個人の課題ではなく、企業全体の課題ととらえ、福利厚生として企業が費用を負担し、医療機関への受診をサポートするなどの取り組みが始まっています。
どの年代にも起こる女性特有のからだとこころの変動や症状には、男女を問わず、女性ヘルスケアに関する正しい理解が必要です。また治療にはその方の個性や希望、ライフステージに合わせた個別の対応が必要になります。お悩みの方はお近くの女性ヘルスケア専門医、あるいはかかりつけの産婦人科医へお気軽にご相談ください。きっとお役に立てると思いますよ。
(白石弘章、県立八重山病院 産婦人科)